本年度事業計画
関東会・令和6年度事業計画書
1.基本方針
知的財産の利活用による地域経済の活性化を図り、地域社会の発展に知的財産が組み込まれた環境(生態系)である地域知財エコシステムの構築を目指して事業を展開します。
関東会は、日本弁理士会の一地域会(所管する都道府県:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)であると共に、会内で最大会員数を有する地域会であることの責任と役割を認識し、常にチャレンジ精神を持って会務運営を行います。特に、限られた人材や予算を考慮し、事業全体に亘る選択・集中を行うことで、少しでも多くの成功モデルを達成し、中小企業をはじめ、大学や関係機関等の知的財産への関心を喚起し、地域に根差した関東会や弁理士との継続的な関係構築を図ります。
また、各事業の実施に際しては、事業内容や地域の実情に適したリアルとオンラインの最適ミックスにより、効果的かつ効率的に事業を実施していきます。
2.重点事業
関東会が所管する関東広域、各都県毎、各区市町村毎など地域のニーズを踏まえ、関東会が提供可能な人的資源や資金の効果的活用と、令和5年3月に日本弁理士会、特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)及び日本商工会議所とで締結された「知財経営支援ネットワーク」構築に向けた共同宣言による4者の連携(以下、「4者連携」という。)を活用しながら、以下の事業項目を中心に実施し、地域における喫緊の課題に対する知的財産によるアプローチ解決と持続的発展が可能な地域知財エコシステムの実現を目指します。
- (1)知的財産普及活動
- (2)知財創造教育支援
- (3)相談事業の推進
- (4)会員研修の企画・運営
- (5)広報活動
- (6)弁理士の日イベント、新年賀詞交換会
- (7)会内課題の対応等
3.事業の概要
(1)知的財産普及活動
① 地域の自治体等との相互連携
関東経産局、地域の自治体(都県区市町村)、関係機関(商工会議所、商工会、INPIT知財総合支援窓口、中小企業庁よろず支援拠点等)との連携を深め、各都県や地域の実情にあった事業をそれら関係組織の方々と共に検討し、共同事業又は独自事業を行います。また、4者連携による効果的かつ効率的な中小企業への知財支援を展開します。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)
② 「知的財産セミナー2024」の開催
知的財産制度の普及と知財の利活用の推進を目的とし、地域知財の活性化に繋がる「知的財産セミナー2024」を開催します。開催に際し、開催地の自治体や商工会議所(商工会)等と連携し、さらに、相談会やセミナー参加者との交流会等を継続して行います。そうした活動の中で、知的財産の利活用や弁理士の有効活用への理解を深め、企業の事業活性化に生かしてもらうことを目指します。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)
③ 他士業との交流、連携
他士業との交流・連携を行い、協調関係を通じて地域知財の活性化につながる事業を実施します。各都県で開催される士業交流会や士業合同相談会等へも参加します。
(各都県委員会)
④ 金融機関等との関わり
地域の金融機関と連携し、中小企業への知的財産を活用した事業支援を強化します。
そのためにも、金融機関の職員への研修会を行うと共に、金融機関と連携し地域の中小企業を集めたセミナーや相談会を行います。
(中小企業・スタートアップ支援委員会、各都県委員会)
⑤ 展示会や知財イベントへの参加
地域で開催される展示会や知財関連イベントに対し、相談会の開催やPRブースの出展等を行います。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)
⑥ 弁理士紹介制度の活用
外部組織、団体、企業等からの弁理士紹介の要請に応えるため、令和3年度から弁理士紹介制度の運営を開始しています。企業の「掛かりつけ医」的な存在として弁理士が企業に寄り添って支援できるよう、弁理士紹介制度の普及・定着を図ると共に、制度の安定的な運営ができるよう改善を図ります。
(政策課題検討WG)
⑦ 知財勉強会の開催
中小企業がより実践的な知財活用ができるのを支援するため、定期的な勉強会「(仮称)知財サロン」を開催します。
(中小企業・スタートアップ支援委員会)
(2)知財創造教育支援
① 知財授業の支援
知的財産授業(出張授業)の依頼に対しては、学校現場のニーズを踏まえ、知財創造教育支援を積極的に行います。
小中高の学習指導要領に「知財創造教育」が加わったことにより、低年齢層から知財創造教育が実施されています。小中高生がより興味を抱く授業を実施するため、小中高生の視点に立って授業内容やコンテンツのリニューアルを行います。
(知財創造教育支援委員会)
② 大学等への寄付講座
令和5年度の寄付講座は、千葉工業大学と甲府工業高校で各3年目を実施しました。令和6年度は、横浜市立大学と茨城大学で寄付講座(1年目)を開催します。
(神奈川委員会、茨城委員会)
(3)相談事業の推進
① 常設知的財産相談室運営事業の推進
令和4年度後半よりコロナ前と同様に常時2名体制で常設相談室を開設しています。
直接対面する相談だけでなくWeb会議システムを利用した相談等、多様な形態で常設相談室の運営を行っていきます。また、相談室の周知活動については費用対効果を意識して実施していきます。
(相談室運営委員会)
② ほか相談事業の推進
各都県における知財総合支援窓口等での知財相談に加え、自治体や商工会議所等と連携して地域の事業者や個人が利用しやすい相談会の企画実行を図ります。特に、4者連携による過不足の無い、地域社会への相談機会の提供や相談対応の質的向上を図ります。
(総務WG、各都県委員会)
(4)会員研修の企画・運営
会員のニーズや弁理士を取り巻く環境変化(経済情勢、知財情勢)に応じた研修を会員に提供します。研修形態としては、ライブ配信、eラーニング、集合研修などの最適ミックスにより、効果的な研修機会の提供や研修内容の充実を図ります。
(研修対応委員会、各委員会)
(5)広報活動
ホームページを活用し、地域知財の活性化に役立つ情報及び知財教育に関する情報等をタイムリーかつ効果的に発信します。例えば、地域企業が取り組む知財活動の事例紹介、知財制度に係る様々な知識を組み込んだ「知財ナレッジ」の改修、イベント情報の発信など、コンテンツの充実を図ります。
(広報委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会、知財創造教育委員会、各都県委員会)
(6)弁理士の日イベント、新年賀詞交換会
① 弁理士の日イベント
弁理士の日のイベントを継続して企画・実施します。令和6年度は、群馬県で開催します。関係自治体や関係機関の後援を頂いて開催します。
(弁理士の日記念イベント実行WG)
② 新年賀詞交換会
新年賀詞交換会は、地域での関係組織(地方自治体、商工会議所、商工会、発明協会、大学、他士業等)との交流を深め、地域の事情を踏まえた意見交換もでき、非常に有意義なものです。令和5年度は千葉県、茨城県、栃木県で開催しましたが、令和6年度は、東京都を除く全県で開催します。
(各県委員会)
(7)会内課題の対応等
① 都県活動の促進
各都県における活動については、地域性を尊重し、地域に根差した知的財産活動の定着を目標に展開していきます。
そのためには、地域の実情を踏まえた各都県委員会の独自の活動を促進し、必要な予算配分を行います。
(各都県委員会)
② 会務参加の推進
会務活動に参加する機会を増やすため、従来より開催してきた新人歓迎会や集う会に加え、工場見学会等を提供します。さらに、地域弁理士の交流の場を提供し、多くの仲間と共に地域知財の活性化と弁理士業務の活性化に繋げます。
(企画及びサービス委員会、各県委員会)
③ 情報共有と連携
本会執行部との情報交換の場である「語る会」等を開催し、本会と関東会との情報共有を図るとともに、喫緊の課題への対応について連携を強化します。
他の地域会と各種事業に係る情報交換を行い、各種事業の改善や地域会間の連携により、地域知財の活性化に貢献します。
関東会内の各種委員会・WGと会長等との意見交換を行い、事業や予算の効率的運用を図ります。
(総務WG等)